放射性医薬品の使用にあたってのご注意
ゾーフィゴの使用に際しましては、放射線安全管理上の注意点にご留意ください。放射線安全管理上の注意点につきましては、関連学会*1より発行される「塩化ラジウム(Ra-223)注射液を用いる内用療法の適正使用マニュアル」に詳細が掲載されていますので、それに従って実施していただきますようお願いいたします。以下に、放射線安全確保並びに本剤の適正使用の観点から特に重要と考えられる部分を掲載します。
*1:日本医学放射線学会 日本核医学会 日本泌尿器科学会 日本放射線技術学会 日本放射線腫瘍学会 (五十音順)
[塩化ラジウム(Ra-223)注射液を用いる内用療法の適正使用マニュアルより]
本治療を実施する病院又は診療所(以下、病院等という)は、国民の放射線安全を確保するために実施施設の基準に関して次の項目について満たしている必要があります。
- ① 本治療を実施する病院等には、関係法令*2に定める施設基準を満たし、かつ、法令上の使用に係る申請を終えていること。
- ② 本治療を実施する病院等には、放射性医薬品等の放射線取扱いについて所定の研修を受け、十分な知識・経験を持つ医師及び診療放射線技師が常勤しており、かつ、泌尿器の腫瘍に関する治療について十分な知識・経験を持つ医師が勤務していること。
- ③ 本治療に関する放射線安全管理責任者及び放射線安全管理担当者は、本マニュアルに規定する所定の教育・講習を受講していること。
- *2: 主なものとして以下の法令があります。
放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則 第二章の三(使用施設等の基準)(昭和35年9月30日総理府令第56号)
医療法施行規則 第四章 第三十条の八(診療用放射性同位元素使用室)(昭和23年11月5日厚生省令第50号)
人事院規則10-5(職員の放射線障害の防止)(昭和38年9月25日人事院規則10-5)
電離放射線障害防止規則(昭和47年9月30日労働省令第41号)
本剤の物理的・化学的特性
本剤の有効成分ラジウム-223(Ra-223)は、アルファ線を放出する放射性同位元素です。本治療を実施する病院等は、Ra-223の物理的・化学的性質を周知した上で取り扱う必要があります。
ラジウム元素は、周期律表でカルシウムと同じくアルカリ土類金属に属しています。生体内ではカルシウムと類似の挙動をとり、投与したRa-223の大部分が骨転移など骨代謝の亢進した部位に、骨塩(ヒドロキシアパタイト)複合体を形成することで集積すると考えられています。骨に集積したRa-223は11.43日の物理的半減期で壊変します。Ra-223の主な放射性壊変系列を以下に掲載しておりますので、本剤をご使用になる前にご確認ください。