投与前及び投与中の注意事項
本剤投与の際には、下記の用法及び用量、用法及び用量に関連する注意、適用上の注意にご留意ください。また、定期的に検査を行い患者の観察を十分に行ってください。
用法及び用量
通常、成人には、1回55kBq/kgを4週間間隔で最大6回まで、緩徐に静脈内投与する。
用法及び用量に関連する注意
- (1) 外科的又は内科的去勢術と併用しない場合の有効性及び安全性は確立していない。
- (2) 副作用があらわれた場合は、重症度等に応じて以下の基準を考慮して、本剤の投与を延期又は中止すること。
本剤の投与延期・中止の目安
副作用 | 処 置 |
---|---|
グレード3以上の好中球減少、貧血、血小板減少 | グレード2以下に回復するまで投与を延期し、回復を確認後、投与を再開する。前回投与から6週間以内にグレード2以下に回復しない場合には、投与を中止する。 |
グレード3以上の下痢、悪心、嘔吐、便秘 | グレード2以下に回復するまで投与を延期し、回復を確認後、投与を再開する。 |
グレード4のその他の事象 | 7日を超えて持続する場合は、投与を中止する。 |
グレードはCTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)v.3.0 に準じる。
- (3) 化学療法未治療で無症候性又は軽度症候性の骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者に対する本剤とアビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾロンの併用投与は推奨されない。
[電子添文15.1.2及び「国際共同第III相臨床試験(海外データ) 全生存期間(OS)・中間解析[主要評価項目]」参照]
適用上の注意
- ・薬剤投与前の注意
- 1 希釈又は他剤と混合しないこと。
- 2 投与前に目視による確認を行い、注射液に変色や微粒子が認められる場合、容器に破損が認められる場合等、異常が認められる場合には使用しないこと。
- ・薬剤投与時の注意
- 1 投与前後に、静脈ラインを生理食塩液でフラッシュすること。
- 2 投与量は以下の式で算出する。
- 3 投与速度:約1分間かけて緩徐に静脈内投与すること。
- 4 バイアルは一回限りの使用とすること。
【投与量の算出方法】
投与量の算出には、以下の因子を用いる。
- 患者の体重(kg)
- 体重1kg当たりの用量(55kBq)
- 検定日の製剤の放射能濃度(1,100kBq/mL)
- 減衰係数
投与量は下記の式で算出する:
投与量(mL)= | 体重(kg)×用量(55kBq/kg) |
減衰係数×1,100kBq/mL |
例:体重60kgで経過日数0日の場合
投与量=(60x55)/(1.02x1,100)=2.94mL
を約1分間かけて緩徐に静脈内投与することとなります。
(投与量早見表をご参照ください)
減衰表
経過日数 | 減衰係数 | 経過日数 | 減衰係数 |
---|---|---|---|
-14 | 2.39 | 1 | 0.96 |
-13 | 2.24 | 2 | 0.90 |
-12 | 2.11 | 3 | 0.85 |
-11 | 1.99 | 4 | 0.80 |
-10 | 1.87 | 5 | 0.75 |
-9 | 1.76 | 6 | 0.71 |
-8 | 1.66 | 7 | 0.67 |
-7 | 1.56 | 8 | 0.63 |
-6 | 1.47 | 9 | 0.59 |
-5 | 1.38 | 10 | 0.56 |
-4 | 1.30 | 11 | 0.52 |
-3 | 1.22 | 12 | 0.49 |
-2 | 1.15 | 13 | 0.46 |
-1 | 1.08 | 14 | 0.44 |
0 | 1.02 |
注) | 経過日数は、検定日の前(-)又は後の日数を示す。 |
投与前及び投与中に行う検査
本剤投与前は必ず血液学的検査を実施し、投与前チェックシートの投与基準を満たしていることを確認してください。
(参考)国外第III相臨床試験及び国内第II相臨床試験において実施された検査スケジュール
以下のスケジュールは臨床試験で実施された項目です。実臨床においては、適宜、必要な検査をご実施下さい。
注) ◎の検査は、実臨床においてもご実施いただくことが推奨されます。
検査項目 | 検査内容 | 検査スケジュール | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
スクリーニング中 | 本剤を用いた治療期間中 | 追跡調査中 | ||||||||
-28日~初回投与前 | サイクル(1サイクル=4週) | 最終投与4週後(治療終了日) | 治療終了日4週後、8週後、12週後(それぞれ±7日) | |||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |||||
骨シンチグラフィー等 | 癌に関連する全ての高集積部位を慎重に特定し、進行状態を確認。 | ◎ | ○ | ○ | ||||||
バイタルサイン | ◎ (投与前14日以内) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | |
PSA | ◎ (投与前14日以内) | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | |
血液学的検査 | ヘマトクリット、ヘモグロビン、赤血球数、白血球数、白血球分画(好中球数、リンパ球数、単球数、好酸球数及び好塩基球数)、血小板数 | ◎ (投与前14日以内) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
本剤各投与前1日以内に採血し、検査値の評価を行ってから投与する (既に血球減少が認められている場合など、必要に応じて検査頻度を2回/1サイクル以上に増やしてください) | ||||||||||
血液生化学検査 | ALT、AST、γ-GTP、総ALP、総ビリルビン、LDH、Ca、P、Na、K、Cl、Mg、血清クレアチニン、CK、BUN、総タンパク、アルブミン | ◎ (投与前14日以内) | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ |
尿検査 | pH、糖、タンパク、ケトン体、ビリルビン、ウロビリノーゲン、潜血、尿沈渣(赤血球、白血球、上皮細胞、細菌) | ○ (投与前14日以内) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
12誘導心電図 | ○ (投与前14日以内) | ○ | ○ | |||||||
骨マーカー | 例:骨ALP、PINP、CTX-I、ICTP(血液)、CTX-I、NTX(尿) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |