患者・家族への説明と指導
ゾーフィゴ静注を投与される患者又はその家族の方に対しては、投与前に、本剤の効果、発現する可能性のある副作用とその予防・対処方法等、並びに、本剤が放射性医薬品であることについて十分に説明し、同意を得てから投与を開始してください。
また、本剤投与中及び投与後6ヵ月間は適切な避妊を行うよう指導してください。
放射線であるアルファ線は、近接する腫瘍細胞にDNA二重鎖切断等を誘発し、骨転移巣に対する抗腫瘍効果をもたらす一方で、放射線による胎児への影響が懸念されます。
説明に際しては、以下の資材等をご活用ください。
本剤による治療中に異常を感じた場合には、すぐに医療機関に連絡するよう患者に伝えてください。
患者・家族(介護者)に対する注意事項
本剤の投与後、主に糞便に、また体液(血液)及び尿に微量の放射性物質が存在することがあります。したがって、以下に例示した注意事項を患者・家族(介護者)に対して投与前に説明し、第三者に対する放射線被ばく低減策や汚染防止措置に対して、理解を得ておく必要があります。
本剤の投与後1週間(各投与後の最初の1週間)の注意事項
【日常生活での注意】
- ①患者が出血した場合の血液はトイレットペ ーパー等で拭き取り、トイレに流すこと。
- ②患者の尿や糞便に触れる可能性がある場合、また、これらで汚染された衣類等に触る場合は、ゴム製等の使い捨て手袋を装着してから取り扱うこと。
- ③患者の血液等の体液が手や皮膚に触れた場合は、触れた箇所を直ちに石けんでよく洗うこと。
- ④性行為は控えること。
- ⑤本剤の投与後2~3日間は、患者と小児及び妊婦との接触は最小限にすること。
- ⑥患者の入浴は、その日の最後に行うことが望ましい。また、入浴後の浴槽は洗剤を用いてブラッシング等によりよく洗うこと。
【洗濯物の取扱いに関する注意】
- ①投与患者が着用した衣類等の洗濯は、患者以外の家族等の衣類とは別に行うこと。
- ②血液や尿が付着したシーツ類や下着類については、十分に予洗いをすること。
【排尿・排便・嘔吐時の注意】
- ①排尿は座位で行うこと。
- ②使用後の便器等の洗浄水は2回程度流すこと。
- ③便器や床面等に糞・尿がこぼれて汚した場合は、トイレットペーパー等でよく拭き取り、拭いたペーパーはトイレに流すこと。
- ④排尿・排便後の手は、石けんでよく洗うこと。
- ⑤患者の排泄物、嘔吐物等が手や皮膚に触れた場合は、速やかに石けんで洗って、十分水洗いすること。
「塩化ラジウム(Ra-223)注射液を用いる内用療法の適正使用マニュアル」を参考として記載しています。